うわなにをするやめr

よく2chなどで「うわなにをするやめr」、または「うわなにをするやめrくぁwせdrftgyふじこlp;@:」といった文字列を見かける。これの元ネタは筒井康隆さんじゃないかと初めて見たときからずっと思っている。みんなそのつもりで書いてるんだと思ってたけど、ぐぐってみたら意外に言及がなかったようなので、あれもしかしてそう思ってるのオイラだけ?という気もして。

筒井康隆全集』が出たとき、筒井さんは24回に分けて「月報」を書いた。その24回分をまとめたものが『玄笑地帯』というタイトルで文庫本になっている。以下は、そのうちの一編「まあこのお田中角栄は」からの引用。

(略)
たいていの人が「キジバトは電話しない」と言うのだ。しかし中には「実はわたしにもそれに似た体験が」という人もいる。おれはこういう人とは仲良くするようにしている。話をしていると面白いし、時おりはけけけけけなどと笑い、また喧嘩をしたり、時には殺しあったりもする。非常に楽しい。と、ここまで原稿を書いた時、妻が書斎へ入ってきてこれを読み、なぜか、さっと顔色を変えた。あなた。こういうことを書いてはいけませんわと言うのである。なぜいけないのかよくわからないが、わからないなりにキジバトの話は中断し、別の話を書く。さて。天皇陛下のことであるが。と、ここまで書いたら横でじっと見ていた妻がまた顔色を変えた。今度は何も言わずに階下へ行き、どこかへ電話をかけはじめたのだが、やはりこれも書いてはいけないことらしい。しかたがないから天皇論はやめて田中角栄のことを書く。
(略)
したがって国民や新聞は田中角栄を批判すればするほど田中角栄の存在理由をより確固たらしめていることになる。と、ここまで書いた時、パトカーだか救急車だかのサイレンが聞こえてきた。わが家の前に停まったようだ。まさかさっきの妻の電話でやって来たのではあるまいな。や。階下が騒がしい。数人の男の声が聞こえる。妻が「二階にいます」などと言っている。いったい何ごとだ。どたどたどたどたなどと階段をあがる音がして、今、部屋の中へ白衣を着た男たちが入

ここで途切れていて、それがそのままこの回の終わり。ほら、そっくりでしょ?

もっと現在の形に近いものがファンによってクラブ221に書かれていたような気もするが、あまりに分量が多くてとてもじゃないが調べられないから、とりあえずこれが結論ということにしておこう。