セキュリティ専門家の信用が低下しつつある

【しっぽのさきっちょ】
私はこれをセキュリティ専門家の「専門家不全症」の兆候ではないかと見る。 脆弱性の存在を疑う理由は(心情的なものも含めて)色々あるだろうが, いずれにせよそういう人達はセキュリティ専門家の分析を選ばず, むしろそれを否定する言説を求めていた。 セキュリティ専門家の方々は今回の件をもっと憂慮してもいいんじゃないかと思うのだが。 専門家に対する信頼が低下している状況では「超法規的措置」は機能せず猛烈な(場合によっては理不尽な)反発が返ってくる可能性がある。 実際に脆弱性の暴露以降も Winny ノードは減ってないそうだ。 減らない理由はよく分かってないが, 彼等がみんな「トンチキ」だというのは仮定しにくい。

これは本当はリスク・コミュニケーションの問題なんだよね。 でもセキュリティ専門家達は Winny を(リスクではなく)ハザードであると断定し撲滅キャンペーンをはってしまった。 この戦略ミスが少しずつ事態を悪化させているように思える。

少し前に引用したessaさんの意見にほぼ沿った指摘。まあ、そうかも知んないなぁ。高木浩光さんは治安悪化を煽ってタグを売ろうとする商売的言説を批判してきたわけだけど、Winnyの件については結果的にそのタグ業者と同じような役割を果たしてしまってるんだよなぁ。