実感問題

【FANTA-G】明日はわが身、というリアリティーを持たない人にはわからない:派遣村 via 【あけてくれ】

 余談:今、大手一流企業になっている某会社がまだ中小企業だった際、当時の不況で社員の1割をリストラしなければならない状況になりました。で、社長の決断した解決方法はこうでした。「1割の人間の給料が足りなくて無職にしてしまうなら、自分も含め全社員の給料を一割引いて、その人の給料にしてあげようじゃないか」

 当然、一部社員からは不満が出ました「がんばっている自分の給料を減らされるのは納得できない!そもそもリストラされるような人間は役立たずだ!」社長はそういう社員を一人一人呼んで、個別で面接しました。わずか10分足らず。しかし、ドアを出てきた社員はもう誰も反対しませんでした。なぜでしょう?

 答え:「リストラ対象には君も含まれるんだが・・・」と言った(笑

 これは見事だと思いました。結局、リストラってわが身にリアルで突きつけられるまで、実感がわかないんですよね。

わたしなんかだと同じエピソードを聞いても「四の五の言ってるとお前から先にリストラしてやっぞ!」と利害でもって脅迫してるように見えちゃうんだけど、そうではなく、リアリティ、実感、想像力の問題なんだと整理しているところが、このブログの中の人の器の大きさだよな。もし自分がその立場になったらどれだけ苦しい思いをするかということがリアルに想像できるからこそ、そういう人はいま苦しんでる人に共感することができる。しかし想像力のない人に向かって想像力のなさを責めたてたところで効力はなんもないわけで、じゃどうすりゃいいんだ、ってのは思うんだが答えは出ない。

まあ要は世間知らずっていうか見てきた世界が狭すぎるんだよな。教職員だと世間知らずでバッシングされるけど、正社員だと世間知らずでバッシングする側に回れる。なんか、よく分からんね。