情状酌量の余地

よく凶悪事件などが起きて被告人の処遇が問題になってるとき、「あんなやつ情状酌量の余地もねえよ!」と吐き捨てる人なんかがいて、どうにも話が噛みあわないのだが、どうやら「情状酌量の余地」ってのを「同情できるかどうか」だと思ってるらしい。

「情」という文字が入ってるのでそこから連想してるんだと思うけど、これは「事情」とか「情勢」とかいう場合の「情」、つまり「情報」の「情」であって、決して同情することなんかじゃあない。

はてなキーワードとかYahoo!知恵袋とかでも素人考えでいい加減なことが書かれてるので、というか、ちょっと検索しただけでも圧倒的に誤用例のほうが多いので、ますます誤解する人が増えるんじゃないか。どうせ参照するならプロの見解を。

三省堂

裁判官などが諸事情を考慮して、刑罰を軽くすること。また、一般にも過失をとがめたり、懲罰したりするときに、同情すべき点など諸事情を考慮することをいう。▽「情状」は実際の事情や状態。刑事手続きで訴追を行うかどうかや、量刑に影響を及ぼすべきすべての事情。「酌量」はくみはかる。事情をくみ取って、同情のある扱いをすること。
http://dictionary.goo.ne.jp/idiom/search/%BE%F0%BE%F5%BC%E0%CE%CC/detail.html?base=1&row=0

なんでいったん事情って書いてるのにわざわざ同情って付け足すんですかね。