騎兵の戦闘方法

むかし2chで書いたのを転載。要旨は、

  • 騎兵のメインウェポンは弓
  • 騎兵は鞍や鐙に体重を預けない

130 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:46:18 id:kJffZdRP0
騎射しない騎馬突撃って意味あるのか?騎兵は普通騎射するもんだと思う。



133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:33:49 id:kJffZdRP0
>>132
いや馳突とか車懸かりって言われても分からないんだけど、
結局矢を放たない突撃に意味あるの?
馬蹄で蹴散らすくらいの効果しか想像できないな。



135 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:59:20 id:kJffZdRP0
いや騎射の巧拙は勿論あるんだろうけどさ、
騎射技能が低くて突撃が強いという光景が想像できないんだよ。



137 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 18:29:09 id:kJffZdRP0
後漢書呂布伝によると、数十騎の騎兵を率いて城壁や塹壕を飛び越え、
張燕の陣を「馳突」し、一日に3〜4回それを繰り返し、毎回敵将の首を獲った。
それで十日余り戦って張燕軍を壊滅させたということらしい。
その記述からすると、後続の歩兵が付いていたような感じではないね。


前途を遮る者がなく自由自在に往来したってのは凄いけど、
大打撃を与えたというのとは違うんじゃないかなぁ。



139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 19:00:44 id:kJffZdRP0
さっきは勘違いしてたよ。城壁や塹壕を飛び越えるってのは赤兎の能力のことで、
張燕戦の時とは限らないね。どっちにしても僅か数十騎で暴れ回ったってことで、
こんなので張燕軍を壊滅させられる訳がない。


たぶん会戦の主力は袁紹軍の歩兵で、呂布は遊軍として開戦直後から少数の騎兵で敵陣を攪乱し、
戦闘中も折を見てまた攪乱に入って、、って事なんだと思うね。
だから実際に敵兵を殺してるのは袁紹軍だろうな。
あなたの言う通り、騎射の巧拙は大して問題じゃないと思う。



141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 19:26:51 id:kJffZdRP0
なるほどな。それだと俺が想像してるのと大体同じ線かな。
散開した騎兵が敵陣を外から囲んで遠巻きに矢を射るというのと反対に、
敵陣に一斉突入して内部から敵軍の統率を破壊するってことだよな。
ただそれだと結局騎射の巧拙は関係ないんじゃないかな。
俺が>>128氏に疑問を呈してるのは、漢民族が騎射は下手なのに突撃は強いって主張なんだ。


ところで密集馳突ってのは軍事用語か何かか?
言葉通りに受け取ると、四方の敵のいい標的になったり、
先頭の馬が倒れたら後続もばたばた将棋倒しになる絵を想像してしまうので、
あんまりいい表現じゃないように思う。


伯郷〜高邑の役はよく知らないので、参考になるサイトとかあったらURL紹介してくれ。



143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 19:58:08 id:kJffZdRP0
うわー、中々認識の差が埋まらないなぁ。
敵陣に突入して敵軍内部から攪乱する場合、弓を使うんじゃないの?
弓を使わず、かつ機動力を減殺せずどうやって攪乱するか想像できないんだけど。
まあ薙刀で撫で斬りとか方法はあると思うけど有効性は疑問だよね。
遊牧民ほど巧みじゃなくても馬上で弓を使った方がいいんじゃないの?
突入して弓矢を使わないとしたら、
士大夫が六芸とかいって射御を習う意味があんまりないよね。


あと包囲が異民族、突入が漢民族ってはっきり分けられるもんなのかな。
そういう文献があるなら仕方ないけど、どっちも同じくらいやってたんじゃないの。



150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 21:17:42 id:kJffZdRP0
馳突で検索したら、ただ単に敵陣を駆け抜けるという意味で、
武将が馳突しながら弓を射たとかハンマーの類を振り回したとかいうのはあったけど、
弓矢を使わないとか、逆に別の武器を使うとかいう限定はないみたいだね。
後漢書呂布伝の張燕戦の記録にも同じ言葉が使われてる。
これだけだと弓矢を使ったか使わなかったか、巧かったか下手だったかは分からないね。
ただ歩兵は連れて行かずに敵の首を斬ったと言ってるから、
弓矢を使ったとしても同時に刀剣の類を使ったのは確かだろう。


>>146
正史だと密集馳突という言葉は見つからなかった。


>>147
ここで問題になってる張燕戦だと呂布の騎兵は数十騎くらいなので、
数万とかいうオーダーを揃えるのは別の話だね。



152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 22:56:31 id:kJffZdRP0
まあそういうことなら納得だ。



185 :130:2008/02/26(火) 19:18:59 id:HV4MRX210
あれあれ、俺の発言でエキサイトしちゃってたんだ。
まあ、どっちも落ちついたようで良かった。
しかし他人の発言を暴言って言うのはいただけないな。


ちなみに俺の発言は>>128に対するもので(>>180と同じ人かな?)、
常時弓を使わない騎馬隊があった(しかも漢民族による部隊は呂布を含めて全て)
という意見に対して、そんな編成に意味があるのかと問うてるだけで、
騎兵が弓以外の武器を用いるケース自体は否定してないよ。



186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 19:24:42 id:HV4MRX210
あ、それと鐙については過大評価しすぎかなと感じてる。
鐙がなくても普通に馬乗れる。反動のない弓ならさらに必要性は低くなる。


さっきの「呂布を含めて全て」は「呂布以外の全て」だね。間違えたよ。



187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:15:52 id:HV4MRX210
あと俺は鞍上での武器の扱いについてlr06r+E20氏と同様の認識を持ってて
「馬上で武器持って殴れるなんて曲芸が弓撃つよりもどれだけ難しいか」はまったく同感なんだが、
「漢辺りの鞍...裸馬よりマシだけどケツが砕けそうな乗り心地」ってのは的外れだと思う。
俺は2週間だけ乗馬クラブで体験乗馬したことがあるが、
全体重はほとんど馬の背を挟んで抑える内股にかかり、鐙や鞍にはかからない。
股を開いて正座してるような感覚に近いから、5k6rjQiV0氏の言うように
「奔っている馬の上に正座できるほどの人もいた」というのは割と理解しやすい話だ。
ただし走行中は常に腰を浮かせてるので、正座そのものではない。
鐙は内股の疲労を多少は分散してくれたり、微妙なバランスを取りやすくしてくれてると思う。
鞍は内股で挟みやすい形状を提供し、馬の汗を防いで摩擦を高めて内股をすべりにくくするためだろう。
たった2週間しか乗ってないので、熟練者にとってはそうだろうと推測するに過ぎんが。



189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:38:20 id:HV4MRX210
>>188
どっちも間違ってるよ。
手綱は馬を制御するためのもので、自分の体重を支えるもんじゃない。
(鞍の前面に持つところがあって、もし体重支えるとしたらこっちを使う)
それにもちろん鐙も体重を支えるにはあんまり関係ない。(ちょっとは預けたりするけど)


乗馬クラブのコーチは鞍の上に両足で立って馬を走らせるパフォーマンスを見せてくれた。
それを初日から俺にやれって言うんだ。で、並足歩行までなら実際できちゃうわけだ。
lr06r+E20氏は頭ん中で考えるだけじゃなくて実際に乗ってみた方がいい。
そしたら一発で理解できる。体が理解する。楽っしいっよー!
西洋馬術だから漢魏の乗り方とは多少違うかもしれんが、基本的に同じはず。



191 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:46:32 id:HV4MRX210
だから、鞍の形状はあんまり関係ないっつの。
鞍の進化によって、より快適に乗りやすくなることはあっても、
鞍が原始的だから乗れないとか乗りにくいとかいうことにはならない。
鞍無しの裸馬に普通の人でも乗れちゃうんだから。



192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 22:48:58 id:HV4MRX210
乗馬の初心者にありがちな失敗は、鞍に腰かけちゃうことで、
馬の背は常時ポップアップしてるから、尻置いてると跳ね上げられ、
尻が自然落下したとき第二波のポップアップと正面衝突してしまう。
そのときかなり激しい衝撃を感じるし、場合によっては落馬するかもしれない。
「尾てい骨強打!」とか「タマ強打!」とかは初心者ならではの笑い話だけど、
中級者以上なら万が一にもありえない失態だ。


正しい乗馬スタイルは、鞍に尻を置かないで常に浮かしてる。
太ももを外側に45°くらいづつ開き、左右だとトータル90°くらい開いてる。
俺は2週間しかやってないからそんな感覚だが、熟練者だともっと角度が違うかも。
馬体にあてるのは太ももから膝小僧の内側だけで、
(乗馬用スーツはこの部分に摩擦の高い素材を縫い付けている。ケツには付いてない)
体重の90%以上はここで支えてる。鐙には大目にみて5%もかかってない。
上体が左右にぶれないように、太ももで馬体を左右から挟み込み、
上体が沈み込まないように重力に逆らって上方向にも力を使う。
内側に挟むのと上へ体を持ち上げるのとで、力のバランスは50:50くらいかな。
これも熟練者だと感覚が違うと思うが、俺の場合はそういう意識だった。


馬の背が上下反復するのにはリズムがあるから、それを体で覚えて、
足腰で反動を吸収する。それで上体は同じ高さをキープする。
これは単に馬を走らせる場合のことで、馬が一定のリズムを崩さないから、
騎乗者も馬の背の動きを予測して、反動を吸収できてるわけね。


しかし実際に戦場に出した場合は、予期できない動きを馬がするはずで、
たとえば予期しない減速、予期しないターンがあった場合、
(いきなり馬が驚いて二本足で立ち上がったり前のめりになったりすることもある)
騎乗者は体で覚えたのとは別の動きで人馬のブレを減殺しなくちゃいけない。
そういうときに鐙があるとないとじゃかなり違うだろうなという感覚はあるね。


それにしても、こうやって想像するだけで、
馬上で打撃系の武器を使うなんて、相当にあり得なさを実感するな。
自転車を時速20キロで走らせて木の棒で電信柱なんか叩いたりしたら、
よほどの衝撃があって棒を手落としてしまうだろうな。
馬上でそんな武器使ったら、下手すると腕がぶっつりもげちゃうよ。


史書見ても馬上でハンマー振り回したとかいう人いるけど、
あれは機動力を殺されたとき緊急回避として使うか、
残りは心理的威嚇くらいの意味しかないんじゃないかな。
とてもじゃないがあれで敵兵を殺傷するなんて現実的に困難すぎる。



194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 23:18:54 id:HV4MRX210
適切な言葉を選んでくれてたら言いたいことは分かるよ。そんなどぎつい言い方しなくても。
太ももで挟んでるのが鞍ってのは、俺にとっては分かりきった話だけど、
lr06r+E20氏は最初「ケツが砕けそうな乗り心地」って言ってたんだぜ?
そりゃ尻を下ろすことを想定してるなら、鞍の発達に期待するのは分かる。
しかし馬を乗るとき尻は鞍に下ろさない。両方の太ももで挟むだけだ。
で、太ももで挟むだけなら鞍無しでもいいんだが、今度は安定感と疲労の問題が出てくる。
いい鞍は、太ももとの接着面がいい感じにカーブしてて、上体を安定しやすくさせ、
長い時間乗ってても疲れにくいんだな。
だいいち鞍がないと馬の汗ですべっちゃうんだから、鞍が無意味というわけじゃない。
だれも鞍の価値なんか否定してないだろ。


俺は「西洋馬術だから漢魏の乗り方とは多少違うかもしれん」とか
「2週間しか乗ってないから熟練者の感覚とは違うかもしれん」とか断ったうえで、
馬は鞍に尻を置いて乗るもんだと誤解してるようだから、
おそらく古今東西違いはないだろうと思われる一般的な馬の乗り方について説明してるだけだよ。
甲冑を着けたり武器を持ったりしても、鞍に尻は付けないのは間違いない。



196 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 23:48:24 id:HV4MRX210
尻は痛くないよ。鞍にノータッチだから。
姿勢としては両膝で立ってる感じ。


まあ慣れてくると、馬の背が上がってきたとき一瞬だけ尻付けたりはできる。
俺はそれで内ももの疲労をほんのちょっとだけ抑えてた。
乗馬歴2週間の俺ができるんだから、中級者なら楽勝だろう。
ただちゃんとした乗馬の教育を受けた人なら、そういうことしちゃいかんと言うかも。



198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 23:59:27 id:HV4MRX210
それは鞍に尻をぶつけるとかいう次元の話ではないよね。



200 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 00:27:03 id:bDNqvgHP0
鞍が未発達だから両股で挟むのに過度な疲労がたまり、
筋肉痛になってケツが砕けそうな乗り心地とかいうのなら、そう思ってくれていい。
けど、俺は付き合わない。
俺はlr06r+E20氏がケツを鞍にぶつけて痛くなると誤解してるみたいだから説明しただけだから。



201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 00:34:12 id:bDNqvgHP0
まあ、とにかく俺が言いたいのはそういうことじゃなくって、
>>128=>>181氏が、漢民族は馬に乗っても弓矢を撃たないと言ってるので、
(でも呂布は例外だからすげえ論)
騎兵が弓矢を撃たないなら、そんな編成は無意味だろと言ってるんだよね。
なぜかみんなスルーしてくれちゃうんだけど、むしろこっちの見解を聞きたいな。



204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 00:42:37 id:bDNqvgHP0
>>202
2週間かそこらの体験乗馬で内転筋が痛くなるほど乗れる訳ないじゃん。
どのみち筋肉疲労がどうのって話には付き合わないと宣言したとおり。
尻を鞍にぶつけるとかいう誤解が解ければ、俺はそれでいいんで。

今更の話でアレなんだが、

ケツには付いてない

ケツにも付いてる。