思いて学ばざれば

よく勘違いされてしまうので、そのつどことわってはいるのだけれど、私がまともに読んだのは『三国志』くらいなもので、前後の史書思想書、先達の論文などには一切目を通していない。だから、あまりそう期待されても困るのですよ。たぶん『三国志』に書かれていないことなら、みんなの方がずっと詳しいんじゃないかな。普通の人ならこういうとき、「よし、それじゃがんばって勉強するぞ!」と自己研鑽にはげむところなんだろうけど、私の場合それほど向学心もないし、そもそも漢文だって中学生のころ1〜2回授業を受けたのを覚えてるくらいで、実際、『三国志集解』を買うまでまともに読んだことさえないのだ。だから、こういうアホの言うことを真に受けちゃいけませんです。

紙屋研究所
独創を誇るは多くの場合に於いて最も悪き意味に於ける無学者の一人よがりである。古人及び今人の思想と生活とに対して広き知識と深き理解と公平なる同情とを有する者は、到る所に自己に類似して而も自己を凌駕する思想と生活とに逢着するが故に、廉価なる独創の誇を振翳さない(阿部次郎『三太郎の日記』)

こないだ、web上でこういう文章を見つけた。『論語』にある「思而不学則殆」という文句と、根底にある意味はだいたい同じことでしょう。まさにオイラのことですね。ごくありふれたまっとうな人なら、「よし、孔子サマの教えを守ろう!」と誓いを立てるところなんだけど、私の場合、この言葉を「いまからデタラメを書いちゃうよ」という宣言のために使っちゃうという自堕落ぶり。ここには、そんなひでぇ話でいっぱいです。