仲いいってレベルじゃねーぞ

西遊記』を読みおえたあと、シュテファン・ツワイクの『ジョゼフ・フーシェ』とか吉川英治の『私本太平記』とか並行して読んでるわけですが、いや、その足利高氏の兄弟がですよ、、

「弟……。明日の夜わかるよ。まず、おぬしにとっても嫂となる花嫁の登子を見てくれい。美人だぞ。眉目ばかりか気だてもいい。一生の持ちものとして気に入ったから娶ったのだ。ほかに、他意もないわさ」
「冗談はよして下さい」
 憤(む)ッとしたらしい。直義は石を離れて突ッ立った。
「今日こそ、お胸の底をたたいておく日と、直義は、足利一族の運命の岐(わか)れを負ってお訊きしたのだ。ひとの持つ嫁、その嫂が美人であろうと醜女であろうと、知ったことか」
「怒ったのか、直義」
「あたりまえだ」
「そう嫉(や)くな。おぬしにも、やがていい嫁が見つかろう」
「何を、いらざるたわ言」
 いきなり、直義が胸いたへ突いて来た腕を取って、高氏の体も、諸仆(もろたお)れに、秋草の中に埋まった。
 ――兄弟喧嘩と、早合点したに違いない。さっきからそこを少し離れた所にぽつねんと坐っていた者は、驚いて人を呼びかけた。だが、声も揚げ得ず、その墨染の袖を頭からかぶって、草むらを這わんばかり、ふるえていた。
 つかみ合ったまま、諸仆れに、萩や桔梗を体にかぶった兄弟は、幼少の頃よくやった狆(ちん)コロの喧嘩みたいに、どっちの手も、首の根を把ったり、襟もとをつかまえて、そのままいつまで、解(ほぐ)れようともしなかった。
 そのうちに、高氏が、
「ははは、あははは」
 体じゅうで笑い出すと、直義も急に、くすぐッたそうな声をあげて。
「ハハハハ。……あ、兄者人。……兄者人は、おひとがわるい。私をからかっているんだな」
「いや、本気だ本気だ。もっと怒れ。怒らないのか、直義」
「怒れない」
 一そう、兄のふところ深くへ、その顔を突っ込みながら、直義は泣き出しそうな声で言った。
「たとえ、どうなっても、直義は兄者人の弟です。怒ってみても始まらない」
「そうだ。かつて、わしが蟄居の日にも、警固の垣を窺って、生命がけで幽所の兄に近づこうとしてくれたこともあったな。……ああやはり弟よと思われて、あのとき、口に出さねど、うれしかった」

ちょwwwキミたちwwwwww妖しすぎwwwwwwwwwwwwwww
なに、この、腐れ小説wwwwwwww