甲乙両論

問題:

史料Aに、こう書かれている。史料Bでは、こうだ。AとBは内容が違っており、一方が正しければもう一方がなりたたない。AとB、いったいどちらが正しいのだろう?

甲さんの意見:

まず、史料Cから見てみよう。Cに書かれた内容はAとほぼ同じだな。では史料Dは…、ふむ…、史料Eと合わせて考えると、Aを補強する事実をしめしている。史料FとGからは、当事者の認識が、Aの提示する事実と同様であったことが分かるな。現存する史料を比較検討してみると、おそらくはAが正しく、Bは間違っているのだろう。結論として、○○論が導かれる。

乙さんの意見:

学界では○○論が定説とされている。○○論は史料Aを根拠としている。しかし、なんと、Aを真っ向から否定する史料Bが発見されたのだ! したがって、Aを信用することはできない。○○論は前提がくずされた! 史料C〜Gは、内容がAに酷似していることからすると、おそらく○○論を補強するために捏造されたのだろう。恐るべき陰謀である。ということは、真実が書かれているのはBだけということになる。アカデミズムの連中は、Bの存在を知りながら、今までそれをこそこそと隠蔽してきた。某国に意を通じているとしか考えられない。○○論者は、AとC〜Gが捏造じゃないことを証明してみろ。

どちらの意見を支持するかは、お好みで。