id:tenntekeさんにお訊ねします

はてブでは字数が尽きたので。

http://b.hatena.ne.jp/tennteke/20090918#bookmark-16091413
b:id:tennteke 神保さんや上杉さんが昨日今日訴えてきたとでも?どれだけ長い間民主党に言っていたのかを意図的に無視しているな。民主党は一年前から解散を言ってたのにマニフェスト作りでも大臣選定でもグダグダな体たらく。 2009/09/18

はてブでのこのご指摘の件ですが、後半の「グダグダな体たらく」は本題ではないので措いておくとして、わたしが解せないのは前半部分「どれだけ長い間民主党に言っていたのかを意図的に無視しているな」とのご指摘の根拠です。id:tenntekeさんは、なぜ、わたしがその点を「意図的に無視している」とお考えになったのですか?

わたしはまったく無視しているつもりはないし、当のエントリ本文に「民主党はずっと前から記者会見を開放してたんだから、そんな運動をするくらいなら政権交代前にとっくにやってるはずでしょう」と書いてありますが、そもそも民主党が党内の記者会見をクラブ外にも開放したのは神保さんの提言に拠るものだそうですよ。それを踏まえれば「無視」などできるはずがないではありませんか。

わたしが「無視」しているとする根拠、わたしがそれを「意図」しているとする根拠をすみやかにご教示ください。

アウェー初日

民主党が野党時代から記者会見をオープンにしてきた経緯については、神保哲生さんが自らによるものと明らかにしている。

【THE JOURNAL】検証・民主党政権で日本はどう変わるのか!<第5回>

実は民主党のこの方針は、岡田克也現幹事長がまだ幹事長代理の時分に、筆者からの進言(というより、「文句」と言ったほうがより正確かもしれないが)を受けて、まず手始めに外国報道機関に記者会見を開放したことに始まる。

当時、民主党の記者会見に出席できるのは野党クラブ加盟の記者に限定されていた。岡田氏はまず自身の会見をオープンとし、その後、幹事長、代表と党の階段をのぼっていく間もその方針を貫いたために、氏が代表になった段階で、民主党の会見はすべてオープンとなった。また、その過程で、対象も外国報道機関から、雑誌やネットメディア、フリーランスを含むすべてのメディアへと広がっていった。

前原、小沢、鳩山と岡田氏の後を継いだ代表たちもその方針を踏襲したので、今はそれが党の方針となった。

ここで注意しておきたいのは、神保さんの提言を受けて幹事長代理の岡田さんが記者会見を開放したとき、まだその範囲は岡田さんが主催したものに限られており、党全体の慣習として広がっていないことである。岡田さんが党代表になって初めて党全体の記者会見が開放された。もちろんそれも党内に限られ、この時点で与党や各省庁でその動きに追従したところはない。そして対象も「手始め」は外国の報道機関に限られており、それが次第に雑誌やフリーランスへと広げられていった。

つまり、内向きにはやりやすく、それを外に広げるのはむつかしい、ということだ。

また、対象を絞ればやりやすく、対象を広げるのはむつかしい、ということだ。

当たり前の話だけど。

今回、民主党がその他の党とともに政権与党となったわけだが、民主党からみれば官邸は外部である。この外部組織を変革するのに、内部と同じようにできなかったからといって非難することが妥当であろうか? もしid:tenntekeさんが、外部組織であっても、内部と同じていどに変革させられるはずだと信じておられるのだとすれば、言っちゃあ悪いけど、ちょっと妙ちきりんではないかと言わざるをえない。

しかし神保さんは内閣発足の初日でそれが実現できると期待している。だから記者会見の場から外されたとき期待を裏切られて憤慨している。わたしもそれは可能であろうと思っている。だから前エントリで「ダム建設などは閣僚が発表される以前からブレーキがかけられていたし、民主党が記者会見をクラブ加盟社以外にも開放していることはメディア関係者ならよく知られているはずなので、官邸スタッフやメディア関係者が独断専行している可能性はなかなか否定しがたいものがある」として、事前の根回しがあれば充分に可能であることを示唆している。ただ、それが初日で実現できなかったとしてもそれはそれで不思議ではないと思っている。そこが神保さんとは分かれるところ。

なので、「神保さんや上杉さんが昨日今日訴えてきたとでも?どれだけ長い間民主党に言っていたのか」と聞かれても、ホーム戦とアウェー戦とでは状況が違うよとお答えするしかないし、それでも初日から実現する方法はあっただろうし、にもかかわらずそれができなかったとしても能力不足ではあるとしても裏切り行為だと咎めるほどではないよなー、ってのが、わたしのエントリ書いた時点での感覚。