木に触れて「感じ」ちゃった女性

益州の南、哀牢の伝説。沙壺という女性が水中に沈んだ木に触れて、感じ、妊娠したというお話。

《華陽国志》
永昌郡。いにしえの哀牢国。哀牢とは山の名である。

哀牢族の祖先に一人の女性があって、名を沙壺(または沙壱・沙台)といった。哀牢山のふもとに住まいを構え、魚を捕って暮らしていた。ふとしたことで、川に沈んだ一本の木に触れて、<感じ>、妊娠した。十ヶ月後、男の子ばかり十人も産んだ。

その後、沈んでいた木が龍に変化して水面に顔を出し、「わしの子を産んだじゃろ。どこにおるか?」と訊ねた。九人の子供たちは驚いて逃げ出したが、末っ子だけは逃げず、龍に背を向けて座った。龍は顔を近づけてべろんと舐めあげた。沙壺はその子を「元隆」(または九隆・九龍)と名付けた。漢人の言葉で、背を向けて座るという意味である。沙壺は元隆を連れて龍の棲む山のふもとに住まいした。

元隆は成長して才能と武力の持ち主になった。九人の兄たちは「元隆は龍の言葉を理解するし、頭が切れる。天の尊びなさる人間だ」と言い、みんなで国王にした。哀牢山のふもとには一組の夫婦のもとに産まれた十人姉妹がいたので、元隆兄弟は彼女たちを妻にした。これが人民の始まりなのである。

ここに簡単な説明があります。
http://www.mekong.ne.jp/directory/culture/legend01.htm

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