本当は存在するのに、「ない」ことにされていること

【猫と会話する生活】

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若くして亡くなった三原順は生涯日本を舞台にした物語を描かなかった(はずだ)。それほどまで、彼女の作品の抱えるテーマは重厚で難解で、そして悲しい。

彼女の代表作にして傑作「はみだしっ子」はアダルトチルドレン共依存という概念すらなかった時代に、それらをテーマとして70年代に描かれた。
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本当は存在するのに、「ない」ことにされていた、子供たちの「心の孤独」という問題。 それを三原順は70年代にすでに意識していた。そして形にして見せた。それに熱中した少女たちがいた。それこそが、「子供がかかえた孤独」の証拠に他ならない。

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