アレンズの警句

http://d.hatena.ne.jp/claw/20050821
▼W・アレンズ『人喰いの神話』岩波書店

>中国では朝鮮人は食人者だと信じられていたが、朝鮮ではその逆が信じられていた。

>普遍的なのは、食人行為そのものではない。むしろ「他者」を食人者と考える現象である。重要な問題は、人間が人間の肉を食べる理由ではない。むしろ、ある集団が他集団を食人者と規定する理由である。解明すべきなのは、観察可能な習慣ではない。むしろ、ある観念体系の一側面なのである。

アレンズは、食人をその目で見た者はおらず神話であると主張し、のちに間違いであることが判明したものの、ここに引用した彼の警句は、文化相対主義的にきわめて重要だと思う。これを忘れたとき、自文化絶対主義もしくは普遍主義に堕してしまう。