アインシュタインの予言3

さきのエントリではメンテ中で見られなかったアメブロの記事が見られるようになっています。で、さっそくアインシュタインの予言が事実であると主張するもう一方の雄のご意見を伺ってみましょう。
問題の記事はこちらです。これによると「予言」は改造社の招きによりアインシュタイン博士の訪日した大正十一年の翌年、博士の改造社社長宛ての書簡が読者寄稿文として雑誌『改造』に掲載されているとのことです。ところが、肝心のその書簡の内容については一切触れられていません。

雑誌『改造』の「1922年11月号から1923年12月号まで」をしらみつぶしにチェックしたという方もいらっしゃいますが、そのような寄稿文は一切みつからなかったとのことです。ただし、「予言」肯定論者によると、「博士は約一月半滞在しましたが滞在中に雑誌改造『アインシュタイン博士来日特集号』発行。計4度の増刷を重ねた。件の言葉は博士離日後の翌年の第3版から掲載されている」…とのことなので、寄稿文が掲載されているのはいわゆる増刊号なのかもしれません。それならチェックから漏れているかもしれない。

いずれにしても、そのような証拠を握っているならば提示すべきです。提示しない(できない)なら中澤英雄さんの批判をすべきでありません。このような記事を書くということは、自分の意見を読者に伝えたいのでしょう。しかし証拠を提示しなければ読者を論理的に納得させることができません。論理的に納得させようともせず「予言は本物だ、本物だ」と繰り返すのは、読者に対して印象操作を図っていると疑われても仕方がない。典型的なデマ記事です。

ところで、さきのエントリの肯定論者の記事でほのめかされた「京都のさるお方」と同一と思われる人物について、こちらの記事のコメント欄において触れられています。「あと京都の山本某(メモしてるので探します)という元議員さんが同じ様な内容の手紙を博士からもらっているそうです。(直筆なら貴重ですね)調べてコンタクトとって見ます」…とのこと。少し具体性が出てきました。しかし、わざわざ山本某さんにコンタクトして博士の手紙原本をスキャンするくらいなら、図書館へ行って『改造』の当該記事をスキャンした方が確実で手っ取り早いと思えるのは私だけでしょうか?(^^