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『太平御覧』巻825に引く『玄中記』
(原文)大月支有牛,名為日及。今日割取其肉三四斤,明日瘡愈。漢人入此國,以牛示之,以為珍異。漢人曰:「吾國有虫,大小如指,名為蠶。食桑葉,為人吐絲。」外國人不復信有蠶也。
(訳文)大月支に「日及」と呼ばれる牛がおり、今日その肉を三〜四斤ほど削ぎとったとすれば、翌日には傷が癒えてしまう。漢人がこの国に入ってきたとき、その牛を見せてやると、(漢人は)まことにけったいなことだと思うのであった。漢人が「わが国にはカイコといって指ほどの大きさの虫がおって、桑の葉を食べて糸を吐き、人間の役に立つんだよ」と言うと、外国の人たちもカイコの実在を信じられないのであった。

『太平御覧』巻900に引く『玄中記』
(原文)大月支及西胡有牛,名曰反牛。今日割取其肉三四斤,明日其肉已復,創即愈也。
(訳文)大月支と西胡には「反牛」と呼ばれる牛がおり、今日その肉を三〜四斤ほど削ぎとったとすれば、翌日には肉が元どおりになり、傷もすぐ癒えてしまう。

牛の名が違ってるけど、おそらく字が似てるので「日」は「曰」、「及」は「反」の写しまちがいで、もともと「名曰反牛、今日…」と書いてたのを「名日及、牛今日…」と読んだんじゃないかなと推測。反牛は「元にもどる牛」という意味。