桜樹ルイ16世虎の穴

法華狼さんとこで『高い城の男』という固有名詞が出てきたので何だろうと思って検索したら出てきたサイト。ナチス時代のドイツについてあれやこれや語ってるんだけど、これがまたいちいち面白い。言葉に力があるというか、下から突きあげるような圧力がいい。

【桜樹ルイ16世虎の穴】

気に入ったフレーズ。

あれは良かった。濃い上にくだらなくて。
砲弾を自販機で買って当たりがでるともう1発という演出など、なかなかグッとくるものがあった。

http://www008.upp.so-net.ne.jp/hyperborea/zakki_asmik.htm

このページは「「何だかロシア人の方がくつろいで見えるじゃんコレ。捕虜になったってのをわかってんのかこの人たち?」というもので、独ソ戦がなんでああなったかの核心をなにげに垣間見るような思いがしたものだ。」「例えばソ連のT−34戦車について率直に「驚異的な強さを誇った」と書いたら不可だったそうである。なんとつまらない話であることか。」「で、ここで私がライターだったらきっとT−34サイドに立った文章を書きまくってしかも自説を曲げないとかいう事態がありがち。」とか、全体的に読みとばせるところがないのがいい。

ナチス最大の話題といえば「ガス室」である。 これは通常ドイツ軍マニアとしては興味の対象にしにくいところらしいが、 私は超ドイツ的プロダクトという観点からこれに注目したい。根は兵器と同じなのである。

「単体スペックを磨きぬけば全体の勝利を得られるに違いないと思い込んで作った」
という偉大なるドイツメカ一般のあり方と決して無関係ではあるまい。

最強戦車「ティーガー」の威容は、狂熱状態のドイツ人が建造した一種のエントロピー神信仰の
トーテムに見えてならない。

http://www008.upp.so-net.ne.jp/hyperborea/zakki_reichhistory.htm

すごく、いい。言ってることを要約すると陳腐で当たり前のことしか言ってない。だけど要約してしまったらこぼれ落ちてしまう、何かをしっかり拾ってる感じがある。それが何であるかを説明するのは難しいけど。

恐怖のコツは突然性とメリハリにある。やわらかい笑顔で談笑しながら、突然顔面に鉄拳一発、そして相手が
うずくまったところに蹴りを二発。「なぜ...?」と涙目でカモは問う。まさにカモならではの愚鈍な思考だ。

ときに、中学・高校の体験を通じて私に生じた精神的変容の中で、ひとつ非常に象徴的なものがある。
それは、詩心というものに普通に感応できなくなったことである。

http://www008.upp.so-net.ne.jp/hyperborea/zakki_4.htm

いい。「詩心を失った」という自己分析なんだけど、これがそのまま詩そのものになってるという。「強さより狂暴さ」という発見もいい。

第三帝国ではR・ハイドリヒとかポイント高い。一般にはあまり有名じゃなさそうだけど。
ヨゼフ・ゲッベルスとかって、なんとなればUSA市場とかでも成功しそうに思うのである。
それはちょっと本物度ではマイナス。
やっぱ「ドイツ以外ではつぶしがきかなそう」な味を大切にしなくては。

http://www008.upp.so-net.ne.jp/hyperborea/Report.htm

ゲッベルスアメリカでも通用しそうだから実はあんまりドイツっぽくない、という指摘。なるほどなと。


現在のトップページからはどうやっても辿りつけないけど、「世界の驚異」というページも楽しい。


こういう楽しいサイトにかぎって見つけたときにはすでに2005年11月から更新されてないので残念なかぎり。やっぱブログよりこういう静的ページのほうがクオリティ高いよね、と、いつもながら思ってしまう。