排外主義に立ち向かうやり方いろいろ

【YouTube】【左翼ボコボコ】9・27外国人参政権断固反対!東京デモ
【地を這う難破船】リンチ上等と反日上等

さて、話題の動画を見ると、言葉どおり「ボコボコにリンチ」にしているようには見えない。実際にはid:toledは怪我をしてしまったそうだが、在特会の人たちはかれの頭を軽くぽんぽんと叩くフリをしているだけで、本気で傷付けようとしているようには見えない。これをもって在特会の人たちを粗暴犯罪をいとわぬ集団であるかのように糾弾するのはおかしいのではないか。

しかしながら、直接的に危害を加えるつもりはなくても、このように大勢で一人を囲むこと自体が「暴力」と言えるのではないか。ちょうど在特会カルデロン氏の娘さんの学校の周りで示威行動を取ったのと同じように。あれは確かに粗暴犯罪ではなかった。しかしあれを「暴力」と見なさなければ、いったいいかなる理屈で娘さんを援護できるのだろう。

わたしは「これがかつての左翼の姿だから、どっちもどっちだ」という言い分には与しないが、しかし過去に左派の市民団体が同じような行動を起こしていたことは知っている。そして、これは右派、左派といった立場を越えて、すべての人間にかかわる問題だと思っている。だから、この一件は在特会の問題であって左翼は関係がないとか、在特会は社会の敵であり我々とは区別されるべきとは考えない。わたし自身にかれらを責める資格があるのか、在特会はわれわれの似姿ではないか、ということだ。


さて、この一件で在特会の振るまいをそれだけ切りとれば、かれらの非は明白だ。id:toledは暴力行為にさらされた被害者ということになる。しかし本当にそれだけなのだろうか。id:yellowbellが「殉教者になる空気」を危惧しているが、その空気を作り出しているのは、われわれ周辺のものだけなのか。じっさいid:toledがみずから殉教者たらんと意図していなかったか。

かれはもちろん挑発などしていない。排外主義に反対する主張をかかげるのは当然の言動であり、それは決して挑発などではない。しかし、このような事態になることは、かれにとって本当に予想外の事態なのであろうか。かれほどの知者であれば充分に予測していたはずだ。にもかかわらず、あえて暴力の矛先を避けなかったのはなぜなのか。こうなることを望んでいたからではないか。かれは確かに挑発などしてはいないし、じっさい暴力にさらされた人間である。しかし、この事件を作り出したのは在特会の一方の手のみにあるのではなく、かれがまたその一端を担った共同作業だったのではないか。

もちろん、かれは暴力にさらされたことで被害者ぶるような態度はとらない。自分が殉教者であるなどとことさらに吹聴したりはしない。しかし、じっさい在特会の暴力性を暴露するには充分な成果を挙げたではないか。これが意図せざる結果であろうか。もとよりそれこそを目的と意図していたのである。実にあざといやり方だ。あらかじめかれの描いたシナリオに在特会はわれ知らず動員されている。id:toledがシナリオを書き、在特会がそれを演ずることで、この茶番はみごとに完成しているのである。

id:hisamatomokiが明らかにしたかったのは、つまりこういうことではないか。

id:flurryさん

わたしは口先だけのヘタレなので、「それはエクスキューズだろう」と言われれば思いあたる節はいっぱいありすぎるんですが、「行動すらできない」という部分に対してそれをお感じになったというのがよく分からないので、もしよろしければその理路をお聞かせねがえますか?

あ、べつに承伏しがたいので反論する、とかじゃないです。自分の思いいたらぬ部分について知りたいだけです。

撤回です

toledさんとこのエントリに「ちなみに被害を期待してたとは思ってないですよ、覚悟はあっただろうなと思ってるだけで。」と書きましたが、いま自分のエントリを読み返すと、どうやってもそうとしか読めないですね。この短期間で自分の認識が知らないうちにスライドしてったんだろうか。ともかく、これは矛盾なので撤回すると明言しておきます。どっちを?「意図があった」とする方ですね。しかし、覚悟はしていただろうとの認識はいまのところ変わりありません。