王異2

こういう王異なら許せるかも。

梁双の乱のとき、辱めを受けることを恐れて自刃しようとしたが、娘の趙英の身を案じて思い止まったという
娘の身を案じないでそのまま死んでれば、まあ許せる。娘を殺して自分も死ぬ、でも可。最初から自刃なんて考えずに生に執着しても、それはそれでよい。おれは貞女だから自刃するつもりだったんだ!とか言い張って、でも娘がいたから死ぬわけにはいかなかったんだ!とか言い訳するからキモいわけで。
趙昂からお迎えの使者がきて、明日には到着というところで服毒自殺したそうなんだけど
使者に気付かれないように車内でひっそりと毒をあおって死んでれば、まあ許せる。服毒よりも刀で頸動脈を切断する方がモアベター。いや、娘が騒ぎ立てて使者に覚られ、うっかり助かってしまうかもしれん。やっぱり服毒の方がいいのか?タイミングとしては使者に気付かれにくい出立直後がよいかと。
馬超が冀城を包囲したとき、王異は弓籠手を装備したそうで
「男の目に触れたくない」などとは最初から一言も言わず、甲冑フル装備で固めて、陣頭指揮、もしくは白刃をかいくぐって戦闘に参加するのがよく、後世の史家に淑女としての嗜みを欠いていると痛烈に批判されるのが最高によい。板額でゴーゴー。中途半端に貞女ぶって、なおかつ女丈夫だとも思われたいなんてムシのいいこと考えるから前後の行動が矛盾するんだっての。もち、淑女だからって“女らしく”室内に閉じこもっても、それはそれで問題なし。
刺史の韋康が馬超と和睦しようとしたとき、王異が「主君の命令に背いてでも馬超と戦え」と趙昂に言ってるのもヘンだ
夫をそそのかして主君の眼前で割腹して和睦に抗議させ、そのあと自分たちも首を吊って死に、あくまでも馬超に屈服するつもりのない意志を示すのが一番。それで韋康が馬超に降ってもそれはそれで仕方ない。やっぱ王累はえらいよ、スジを通してる分だけ。死ぬ気もないのに死ぬぞ死ぬぞ、心にもないのに忠義忠義なんて言ってるからキモいわけで。

この人は、自分がいかに立派な人間であるかと“見せかける”ための努力しかしないよね。