即位後の玉稿

【史劇的伝言板】#6419

船頭の孫 2006/02/18 00:32
即位後の玉稿

で、表題の件ですが、東海大学出版会から『日本産魚類検索 全種の同定』という、日本列島周辺で分布が確認されている全魚類を図入りの絵解き検索で全種同定できる大部の専門書が出版されています。この本は元はというと、編集責任者になっている中坊徹次さんという魚類学者が、『海洋と生物』という学術誌に、ご専門のネズッポ類(江戸前の天麩羅で有名なメゴチの仲間)の同定に関する連載をされていたときに考案した図入り検索表を、あまりにも便利なもので日本産の全魚類に拡張して本にしてしまおうという声が大きくなって編まれたものなんですね。

で、この編集会議のときに、日本産の魚類の全分類群に関して、それぞれのもっとも先端部分を把握している分類学者をリストアップして原稿依頼を出すことを決めたのですよ。そうなると、ハゼ科のチチブ類に関しては、やっぱり先端部分を日本で一番把握しているのは「あの方」だよね、という話になったらしい。で、誰かが、もう即位もされていて公務も多忙だし、皇太子時代のようなわけにはいかないから多分だめだろうね、でもだめもとで一応原稿依頼は出してみるかということになったというんですよ。

ところが、手紙を出してみたら、快諾の返事。原稿も完成度の高い立派なものがちゃんと送られてきたものですから、この書籍の著者の一人に陛下も名前を連ねることがとんとん拍子に決定。

そういうわけで、この書籍の著者リストには、「明仁」の諱が肩書きなしに、しっかりと載っているのであります。

あまりに興味深いので全文転載(一部除く)させていただきました。

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