呂布 金蝉脱殻の計を用いる

『太平御覧』所引『英雄記』
呂布袁紹のもとを訪ねたとき、袁紹が彼を警戒するので呂布は不安になった。洛陽に帰りたいときつく申し入れると、袁紹はそれを聞き入れ、詔勅と称して司隷校尉に任命し、呂布のもとへ勇者に(印綬を)送りとどけさせた。実はひそかに殺害するつもりなのである。呂布は自分が殺されるのではと疑い、人に命じて帳のなかで鼓や箏を演奏させ、自分はこっそりと脱出した。夜中に兵士たちが目を覚ましたときには、呂布はもう逃げたあとだった。袁紹は報告を受けると憂慮をいだき、賞金をかけて追跡させたが、みな近づくことはできなかった。こうして、(呂布は)また帰ることができたのである。