記者クラブが空気な件

【MSN産経ニュース】麻生首相ぶらさがり詳報 (はてブ)

これは、まあ、麻生さんの口と態度がちっと悪すぎるってのは別として、私費で行ってる分には別に問題がないわけだから、はしもっちゃんが公務中に公費で遊びに行ったのとは訳が違う。この不況下で庶民がいかに苦しい生活をしているか、総理は状況把握できているのかと示唆したかったんだろうけど、そこへ高級料亭うんぬんを持ちだすのは筋がよくなかった。

ただ、はてブ北海道新聞の記者を槍玉に挙げてるのはちょっと早計なんじゃないかなと。だいたい総理に質問できるのは記者クラブの加盟記者に限られていて、かれらは記者会見の数分前に相談しあって「じゃ、うちはこの質問するから、NHKさんはこの質問、読売さんはこの質問をしてね」みたいにあらかじめ誰がどの質問をするか割り振りをする(朝日も産経も現場レベルでは仲良しクラブなのよーん♪)。でないと同じ質問で重複したり、だれかがなすべき質問をだれもできなかったりして効率が悪いんでね。だから件の質問内容を提案したのが本当に北海道新聞なのかどうか実はよく分からなくて、実際は日経新聞かもしれないし時事通信かもしれない。あるいはもしかしたら北海道新聞がスタンドプレーで事前協議と違う質問をしたって可能性もある(それだと他の加盟社からハブられるリスクがあるのでそういうことは滅多にない)。北海道新聞槍玉に挙げるならこの質問内容が北海道新聞から出ていることを裏付けないとちょっとムリだろうと(まあ、気に食わん奴を叩けるなら根拠なぞいらぬわ!って話なら別だけどね)。

そういう点からいうと麻生さんにもやっぱり非というか、おかしな部分があって。麻生さんはずっと政界にいてそういう記者クラブの仕組みも弊害もみんな分かってるはずなんだ。総理番記者が各メディアの一年生からの若手で選出されてて記者としても社会人としても未熟なグループであることも知ってる。それを知りながらわざわざ一社だけ名指しして記者に逆質問したり恫喝したりというのは、なにか麻生さん自身に触れられたくない部分があるということを物語ってるんじゃないかと。記者への逆質問で煙に巻くという手は小泉元総理や福田元官房長官が多用してたけど、それはクリティカルな指摘を回避するために初めて発動するようなもんであって、今回のような別に痛くも痒くもなさそうな質問に逆ギレしちゃってるのは、もしかして麻生さんはそこに何かしら弱みを持ってるのでは、あるいは麻生さんは些細な突っこみにもちょっと打たれ弱いのかもしれない、という印象を記者全体に与えちゃった可能性がけっこうあるよな。つまんないことで何をムキになってんだよと。そういう意味で今回の一件は、麻生さんがだいぶ株を落としてる。ブクマカの評価とはウラハラにね。


まあ、なんにしても記者クラブの存在って読者視聴者にはほとんど意識されないんだなぁと。こんだけ総理と記者のやりとりがクローズアップされているにも関わらず、なお、これだもん。それが一番印象的だったかなぁと。まる。