マクドナルド事件

この事件については日本に紹介された当初からデマを混ぜこまれてて、海外のことだからと思ってか未だにヨタ話を飛ばす人がいる。つまり、アメリカでは賠償金を目当てに些細なことを口実に訴訟を起こす困った人たちがいる、といった手合い。さらに、日本をアメリカのような訴訟社会にするな、と続けられることが多い*1。そもそも大陸法の系譜に連なる日本の法には懲罰的賠償という仕組みそのものがないので全くの杞憂だ。
webでは日本語で読めるリソースが見あたらないので、なかなか修正する機会がないんだけど、数年前にすこし話題になっていたブログのアーカイブを見つけたので、ここにURLを記しておく。

http://web.archive.org/web/20041010034349/blog.livingjoho.net/daiji/002812.php
http://web.archive.org/web/20041010113855/blog.livingjoho.net/daiji/002823.php
http://web.archive.org/web/20041015091028/blog.livingjoho.net/daiji/002859.php
http://web.archive.org/web/20041028004354/blog.livingjoho.net/daiji/002878.php
http://web.archive.org/web/20041028012839/blog.livingjoho.net/daiji/002890.php
http://web.archive.org/web/20041028013158/blog.livingjoho.net/daiji/002932.php
http://web.archive.org/web/20041028063134/blog.livingjoho.net/daiji/002969.php

この一連のエントリが書かれていたころ、このブログは黒の背景に、緑の文字だったはず。そのころはちょっとした話題になっていた。このエントリでも少し抜けているところ、原告に都合よく書きすぎているところがあるが、Wikipediaの当該記事よりよほど正確で詳細なので、入口としては大きな問題にならないと思う。

追加

この事件はアメリカ本土においても馬鹿げた訴訟だとして原告バッシングが起こっていたが、日米を問わず、法学者や弁護士といった法にたずさわる専門家はさほど特異な事件とは考えていない。

「懲罰的賠償」で検索してみると、もうすこし詳しいものが見つかった。記事の筆者は原告に懐疑的な立場だが、原告の主張のあらましはここで分かる。

http://www.fps.chuo-u.ac.jp/~cyberian/HotCoffeeDefect.html

*1:訴訟社会、訴訟大国といったキーワードを安易に用いる記事はたいがい根拠のない言いがかりであることが多いのでほとんどは読まなくていい。