「三国志の迷宮」儒教への反抗 有徳の仮面
最近読んだ本 その4。
「三国志」の迷宮―儒教への反抗 有徳の仮面 (文春新書 (046))
- 作者: 山口久和
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1999/06
- メディア: 新書
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中国哲学史の人が書いた三国志の本って感じの本(そのまんまや!)。なので、新たな史実を掘り起こすというよりも、既知の事柄を別の視点から見るという基本スタンスになる。わたしが興味深いなと思ったのは第3章の李厳の論で、劉備が遺児を託したのは益州の旧勢力を代表する李厳が主体であり、孔明はその監視役だったとする見解。孔明の秉政から旧勢力は活動を抑圧されてゆく。
4章の構成だけど、まだ3章しか読めてない…。でも実は4章が一番面白そう。益州と荊州とで学問の志向が違うとか、杜預が『左伝集解』を書いたのは司馬氏におもねった結果とか、そんな感じのことが書かれている。