曹操少年 大蛇を打ち負かす

劉昭『幼童伝』
太祖(曹操)は幼いころから智勇の持ち主であった。
十歳のある日、譙水で水浴びをしていると大蛇が近付いてきた。水中で奮然と攻撃すると、大蛇は潜って逃げていった。水浴びを終えて帰宅しても、このことを誰にも言わなかった。
後日、ある人が大蛇に出会って逃げてきたことがあった。太祖はその人を笑い者にして「おれは蛇に襲われても恐くなかったぞ。こいつは蛇に怯えて震えてやがる!」と言った。人々がその事情を訊ねて、はじめて事実が明らかになり、みながみな驚歎した。