一寸法師が旅に出た理由

さっきTVを見ていたら、一寸法師が旅に出た理由はなにか、というクイズをやっていた。正解は「両親に嫌われたから」なんだけど、原作そのものを紹介するのがはばかられたのか、その番組ではだいぶ和らげた表現になってた。

原作もっとひどいよ。

『御伽草子』(注釈は削除しました)
中頃の事なるに、津の國難波の里に、おうぢとうばと侍り。うば四十に及ぶまで、子のなきことを悲しみ、住吉に參り、なき子を祈り申すに、大明神あはれと思召して、四十一と申すに、たゞならずなりぬれば、おうぢ喜びかぎりなし。やがて十月と申すに、いつくしき男子をまうけけり。
さりながら生れおちてより後、せい一寸ありぬれば、やがて其の名を一寸ぼうしと名づけられたり。年月をふる程に、はや十二三になるまで育て ぬれども、せいも人ならず。つくづくと思ひけるは、「たゞ者にてはあらざれ、只化物風情にてこそ候へ、われらいかなる罪の報いにて、斯樣の者をば住吉より賜はりたるぞや、淺ましさよ。」と、見るめも不便なり。夫婦思ひけるやうは、「あの一寸法師めをいづ方へもやらばやと思ひける。」と申せば、やがて一寸法師、此の由承り、親にもかやうに思はるゝも、くちをしき次第かな、いづ方へも行かばやとおもひ、刀なくてはいかゞと思ひ、針を一つうばに乞ひ給へば、取出したびにける。すなはち麥稈にて柄鞘をこしらへ、都へ上らばやと思ひしが、自然舟なくてはいかゞあるべきとて、又うばに「御器と箸とたべ。」と申しうけ、名殘をしくとむれども、たち出でにけり。住吉の浦より御器を舟としてうち乘りて、都へぞ上りける。

「わしらにどんな罪があって、住吉の神様は、あんな化け物を下さったのか。ひどい仕打ちだよ」って、40過ぎて子供が授かっただけでも感謝すりゃいいのに、文句ぶうぶう、しかも自分の子供を化け物呼ばわりするなんて、そっちの方がよっぽどひどい仕打ちだろってな感じなんだけど、それで「あの一寸法師めをどっかに追っ払っちまおう」なんて言っちゃうんだから、そりゃ一寸法師も「こんな風に思われてるなんて悲しすぎるわー」とか言って家出しちゃうわけだよね。

児童虐待→家出

http://www.geocities.jp/ts00/index.html
子供に家事をすべてやらせていたり、”あんたなんか生まなければよかった”などと
平気でののしります。子供は母親が何でそんなことを言うのか理解できずに、
ココロの奥にその”もやもや”をしまう作業をします。当然です。
しかし、思春期に入るとその整理しきれていない”もやもや”がいろいろな行動・考え方に
出てきてしまうのです。それがリストカットだったり、家出だったり、神経症だったりするのです。