魏の孝子

『太平御覧』所引『魏略』『典略』
程堅は字を謀甫といい、南陽舞陰の人である。仁愛孝心にあつく清廉な人柄であった。財産はなく貧しさに耐えていたが、鏡を磨いて生活を立てて他人の施しは受けなかった。婆さんたちが一緒に洗濯をしているとき、一緒に食べようと呼びかけて、もし食べない人があれば「あんたは程謀甫さんでもあるまいに、どうして他人様の弁当を食べようとしないんだい?」と言うのであった。母が亡くなると号泣し、飼い葉桶の側にいる馬でさえも、程堅の泣き声を聞いたとたん涙を流し、しばらく干草を食べるのをやめた。