避諱

王沈『魏書』、魚豢『魏略』、陳寿三国志』は、いずれも魏諱(操、丕、叡)も晋諱(懿、師、昭、炎)も避けていない。
『魏略』や『三国志』はもともと私撰の書であったので、避諱することが必要でなかったのかもしれない。また、『魏書』は官撰の書であるものの、魏の正元年間に書かれたものだから晋諱を避ける必要はない。しかし『魏書』が魏諱を避けなかったことについては説明がつかない。
この時代、「避諱」という作法がまだ一般的ではなかったのではないか、という気がする。