華歆

華歆の人物像が『演義』と正史とは正反対だという誤解がある。

三国志』華歆本伝では記されていない、伏皇后を二重壁から引きずりだしたというエピソードが『演義』では引用されているからなんだけど、この『曹瞞伝』にもとづく記事は、『三国志武帝紀の注にも引用されているし、また正史の本文でなければならぬというなら『後漢書』伏皇后紀にも採用されている。それらが『資治通鑑』を経由して『三国演義』に取りこまれているわけだ。

演義』と正史(およびその注)の伝える内容は同じであって、華歆の人物像が『演義』と正史とは正反対だというのは、端的に間違っている。にもかかわらず、きちんと指摘する人がいないので、あえて言ってみる。Wikipediaもなんだかなあって感じ。