曹操から諸葛亮への手紙

「うむ、またしても孔明にしてやられたか!」なんてのが曹操の決まり文句なのですが、これは『三国演義』などの創作上の話。実際には、孔明曹操を意識するほどには、曹操孔明を知らなかったようです。
正史に記録される、おそらく唯一の両者の接点は、曹操が漢中を平定したとき、劉曄が「諸葛亮が宰相を務め、関羽張飛が将帥を務めておりますので、今のうちに攻略しておかなければ後日の憂いになりますぞ」と蜀攻めを進言したことくらいです。しかも、この進言を退けた曹操孔明に対してどう思ったのか、それさえ記されていません。

孔明が何かと言えば曹操の名を持ち出して激しく憎悪をぶつける一方、曹操孔明をなんとも思ってない。そんな関係が思い浮かびます。

でも、この二人、全く接触がなかった…というわけでもないようです。曹操孔明宛てに手紙を出しています。

このたび、鶏舌香を五斤いただきました。感謝いたします。

鶏舌香は、年寄りに含ませて口臭をとる香草です。孔明が年を取った曹操を気づかい、香草を贈り、曹操がそれに感謝したという手紙です。

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