魏延って強いの?その3

かつて、80年代のアイドルマニアを揶揄する言葉として、あるいはアイドルマニア当人の自嘲の言葉として「聖子ちゃんはうんこしない」というのがありました。あのっ、松田聖子ちゃんのっ、ぷっちんぷりんのような白くてかわいいお尻からっ、あんな臭いっ、汚らわしいっ、茶色の物体がうにゅにゅにゅ〜っと出てくるのを想像できるか〜!?できねぇべ〜!?というわけです。最近でも、爆笑問題田中裕二さんが昔話でキョンキョンをネタに同じこと言ってますよね。
私は18〜19年前に『三国志演義』を読んで以来の魏延ファンです。14〜15年前に『三国志』のちくま訳を読みはじめてからも、理由は少しづつ変わっていきましたが、魏延好きであることには変わりありません。三国系サイトを開いてからも魏延の魅力についてたびたび言ってきたし(そのころは魏延好きがまだ少なかったし、そもそも魏延の名すらほとんど出なかった。当時の魏延好きとしてはコウサカさん、伊比学さん、魏延さん、エミリーさんといったところ)、harbotの名前も「ぎえん」だったし、なにかにつけて魏延魏延だと言ってきたわけです。

それが三戦板の発展にともなって、魏延の再評価が始まったわけですよ。ところが、再評価を通りすぎて過大評価まで行ってしまった。ちょうど諸葛亮が嫌われはじめていたので、その対抗勢力として実態以上に持ちあげられたという理由もありそうです。さあ、ここですよ。18年来の魏延好きからすると、おまいらちょっと待てや、と。落ちつけよ、と。確かに魏延はこれまで不当に低く評価されてきたのは事実かも知らんが、「魏延ちゃんは五虎将に匹敵するチョー名将ォォ!」とか「魏延ちゃんは謀反なんかしてないィィ!」とか「魏延ちゃんはうんこなんかしないィィ!」とかってのは違うだろ、と。現実を見ろよ、と。史書を読めよ、と。史書を読むかぎり魏延が有能であるかどうかは判断しがたいと言わざるをえないし、魏延が謀反したのは事実だと言わざるをえないし、史書には書いてないけど多分うんこもしてるはずだろ、と。おまいの言ってる「魏延」って、それ現実の魏延ちゃうやん、と。本物の魏延には見向きもせんで偽物の魏延を称揚するって、本物の魏延に対する裏切りちゃうんか、と。

まして、考察となればなおさら。空想上の「魏延」を前提にしてまともな考察になるわけがない。限られた情報をもとに考察しなければならないのが三国志ファンの宿命なら、せめて魏延の「有能さ」をカッコにくくって常にそれを意識しておくことから始めようよ、そういうことを言っておきたかったんですね。私は理想化された偽物の「魏延」なんかどうでもよくて、史実の魏延の方が好きなんです。